「投資」は「ギャンブル」と同じように扱われがちですが、最近ではNISAが普及し、個人でも投資を行う人の数が増えてきました。戦略性がなく反か丁かで当てずっぽうに賭けるとギャンブルになってしまいます。
ビジネスや投資の場合は、手元にある資金や情報を使って最初に計画を行い、それを実施して「利益」を生み出す考え方が必要です。
投資とビジネスには共通項があり、基本的な考え方は類似しています。参考になりそうな情報をまとめました。
目次
株式会社と投資家
「株式会社」や「有限会社」「合同会社」は会社法によって定められた内容で設立された会社です。個人事業の場合、利益が800万円を超えたタイミングで法人化すると、税制面でメリットがあると言われています。
ですが「株式会社」を設立することは、税制面だけでなく、経営の面でも影響がでてきます。
株式会社とは?
株式会社には「資本金」という考え方があり、会社の資本を「株式」として発行して購入してもらうことで、資本を増やすことができます。
「株主 = 会社の所有者」で、必ずしも「経営をする人 = 所有者」になるわけではありません。その会社の株式をたくさん持っている人が、所有者(オーナー)になります。
会社のオーナーの権利は、会社自体を売買したり、経営方針に意見を述べたり、会社役員の承認を行うなど、強い決定権を持ちます。
経営者は、「会社の運営を行う人」になるため、会社マネージメントの最高責任者になります。役員報酬によって報酬を得るため、株を所有していない経営者の場合、会社員と同じような形になります。
株主と会社の関係
投資家は、特定の会社の株式を購入し、その会社の経営がうまくいって利益がでれば、配当金を受け取ったり、株価が上がることで保有する株の市場価格があがり、株を売却することによって現金化することができます。
海外の企業の場合、ボーナスの代わりに自社株を発行して従業員に配分するようなケースもあります。株価は企業の業績が反映しやすいため、従業員が一生懸命働いて企業の業績を良くすることで株価が上がり、相互に利益が得られるような考え方で採用しているところも多いです。
日本の場合、株を購入することは「証券会社の販売する金融商品を購入して利回りを得る」という意味合いが強く、消費者として購入する人も多いはずです。ですが実際には、証券会社を通じて企業にお金を貸し、事業を行った結果を配分してもらう、という状態が投資家のポジションになります。
株式投資をする際に役にたつ考え方いろいろ
分散投資と集中投資
投資には、「分散投資」と「集中投資」という考え方があります。
分散投資は、様々なアセット(株だけでなく、先物や土地など様々なもの)を広く浅く拾って投資し、利益率が高いところがでてきたら現金化する考え方です。エンジェル投資家なども同じで、さまざまなベンチャー企業に投資を行い、どこかがユニコーン企業に成長すれば資金回収して利益を得るといった考え方で運用を行います。
逆に集中投資は、「これだ」というものを見つけて、そこに資金の大半を投資する考え方です。情勢や、個々の専門に近い場所で、大きく利益を見込めるものを抽出して、そこに投資するような方法です。
リスク分散する場合、分散投資の方が安全性が高そうに見えますが、どちらにしても投資した元金保証があるわけではないため、どちらを選択しても必ず元金割れのリスクがあります。
自分自身でどういうったリスクをとり、どういった運用を行うのかを考えて投資をしてみると、「事業投資」という考え方に結びついていくかと思います。
「損小利大」という考え方
「損小利大」とは、読んで字のごとく「損を小さくして、利益を大きくする」ということです。
株式投資で売買する場合、
「1,000円 x100株で購入した株を、5%下がった、または10%あがったタイミングで売る」のように、利益が多くなる条件を決めて行動することを言います。
この場合、
株価が下がれば-5,000円の損益、
株価が上がれば+10,000円の利益、
これを繰り返して行うことで、トータルの収支をプラスにする、という考え方になります。
投資で失敗する場合、「損失」を受け入れずに決済せず、最終的に「大損」してしまう結果につながります。
人間の行動心理学を知る
人間は「感情」で動いている生き物です。どのように優れていて、どのように正確な答えを持った人でも、感情によって選択を誤ることもあります。
冷静な判断を行いながら行動するためには、人間の脳が起こす心理学的なトリックを知ることも役に立ちます。
自分自身も心理学の影響を受け、他人にも同じことが言えます。一歩引いたところから、冷静に物事をみるためにも、心理学を知っておくことは大切です。
「楽して儲けたい」、のその先は?
一時期「FIRE」などの言葉がはやり、経済的に自由になることを「自由に生きる」と発言する人がいましたが、楽して儲けたその先にあるものを考えることも大切です。
宝くじで当たったお金は、人生1度きりの幸運で、二度と起こらないことかもしれません。努力せずに得た報酬は、湯水のように消費して、あっという間に消えていくかもしれません。
株式は、あくまで企業が、「事業を継続させるための運転資金や事業投資を行うための資金を得るためのもの」が前提です。その企業のビジョンや経営方針に共感して資金投資してくれた投資家にも、謝礼が支払われwinwinな関係になることが本来あるべき姿だと思います。
外部環境の影響について考える
株式市場では、日本だけでも毎日3兆円以上のお金が動いています。個人の資金を使って株の売買を行ったとしても、一切影響はありません。
株価は上下変動することも多々ありますが、それだけ多くの人が株式市場で売買を行っており、高く買った人が多ければ株価は上がり、売った人が多ければ株価は下がるようになっています。
市場は、外部環境の影響を受けやすく、「中央銀行の政策」や「地政学的な情勢」「気候変動」など、様々な要因によって状況が変わります。
このような、人間の力が及ばないものや、人間によって起こされる企業業績とは関係のない要因も、市場への影響力があります。また、リーマンショックやチャイナショックなど、経済全体に大きく影響する出来事があった場合も、株価に影響が及びます。
自分の意志ではどうにもならない状況に対応する
景気が良くなった、悪くなった、自然災害が発生した、疫病が発生した、など、人間1人の力ではどうにもならない状況が発生することは多々あります。
こういうどうにもならないことに対して、無理に逆らっても意味がありません。
「現在の状況を受け入れて、次にどう行動するのが最善策か?」というところに意識を向ける方が建設的です。状況が変化したにも関わらず、これまでと同じやり方に固執すると、持っているものも失ってしまう可能性がでてきます。
「状況が悪い時こそ大きな流れに逆らわずに、今できることに取り組む」と行動することで危機的状況を打開できる一手になるはずです。
流動性のあるものに対する考え方
ビジネスパーソンの「お金」に対する感覚は、「貯金する」より「運用する」という人が多いと思います。お金(現金)は銀行に寝かせておいても、何も働きません。(金利が高かった時代であれば、銀行に預けておけば利息がついて、自動的に現金が増える仕組みがありましたが、現在は超低金利時代のため、貯金をしても増えることはほぼありません)
ビジネスを行うためには、「ヒト・モノ・カネ」が必要で、その中の「カネ」がどういう役割を果たすかというと、「モノ」を買ったり、「ヒト」を動かすために使います。
どのようなビジネスをするのか?どこに資金を使って、どうやって回収するのか?こういったところが事業戦略になるため、基本的な考え方は「事業」も「投資」も共通点がよくあります。
まずは体験してみて、肌感覚を身につけましょう
最近はNISAなどの非課税口座の開設も簡単になり、個人でも手軽に投資ができる時代です。
手元の資金を使って、どこにいくら投資して、どうやって回収するか?を少額から試してみることもできます。
しかし、実際に「投資」をやるためには、まとまった資金がないと難しいですし、中長期的な物事に対する目線も必要になります。また、資本主義経済の中で、世の中がどう動いていて、誰がどのようにしてその資本を獲得しているのか?を勉強する必要もあります。
ビジネスを始める際も、基本的には資金を使って何かをやることが多いため、学びになると思います。事業も投資もリスクはありますが、適切に管理しながら、自分に合ったものを見つけることが大切です。