人気作品「鬼滅の刃」から見るマーケティング分析

人気作品「鬼滅の刃」から見るマーケティング分析

「鬼滅の刃」流行ってますね。

興行収益311億円達成だそうです。日本の市場における「アニメーション」の持つ力ってすごいと思います。日本人の遺伝子的要因なのか、日本社会という環境のせいなのか"人間が直接演じるドラマ"よりも"抽象的なキャラクターを使ったアニメ"の方が人気があるなぁと感じます。

私自身は「鬼滅の刃」に詳しくないので、今回は、アンケート結果やまわりから聞いた感想などを元に作品が人気になった理由を考察してみました。

目次

1.アニメーションになったことによる影響

アニメ化

鬼滅の刃という作品は、もともと週刊少年ジャンプで連載されていた漫画で、友情・努力・勝利をベースに、さらに深いテーマで「家族愛」や「死」を扱った作品です。

作品が出始めの頃の人気は「普通」という評価でした。初期の頃は、「絵が見づらい(描き込みが多い)」や「テーマが重い」などの理由もあり、話題性があるほどの人気ではなかったということです。

この2つの課題が解消されたのが、2019年4月に始まった「アニメ放送」で、ブームの火つけ役になったようです。

アニメになったことで「動き」と「音」と「演出」が加わり、一気に躍動感と理解のしやすさが加わりました。その「わかりやすさ」によって、ライトユーザー層にまで普及したと思います。

2.元々持っていたコアバリューとタイミング

生と死

「鬼滅の刃」の人気の理由は、「個性的なキャラクターたち」「生と死と向き合った深いストーリー」が大きな理由であげられています。

個性的なキャラクターたち

様々なバックグラウンドを持つ人間身のあるキャラクターたちが、それぞれのユーザー層に人気です。髪型や服装、性格などのユニークさはもちろん、考え方や価値観に共感が集まり、ユーザーを「味方」にして、人気が高まっていると思います。

キャラクターの生き方や考え方に共感する人が多く、「共感」というキーワードが人気の理由につながっているようです。

生と死と向き合った深いストーリー

「鬼滅の刃」は、少年漫画にはめずらしく"キャラクターがバンバン死んでいく、暗い要素も多い物語"だと聞きました。普段だと、こういった重いテーマは敬遠されがちです。

ですが、今年の2020年はみんなが巣ごもりし、「病気」という大きな「死」を予感させるものと隣合わせでの生活を余儀なくされました。ここに需要の要因があったのではと考えています。

普段、明るく楽しく生きてる人にとって「死ぬこと」を急に話題にされても、あまりピンときません。ですが、2020年という年はいつもの生活から一変してしまいました。ニュースを見れば「感染者数」「〇〇さんが感染」「〇〇さんが重症化」など、暗いニュースで世の中が沈んでしまいました。

「死ぬこと」が身近になってしまい、巣ごもりの影響もあって、みんな考える時間ができたと思います。そういった状況の中で、わかりやすく「死」というテーマを題材にした作品に注目が集まったように思います。

3.マーケティング的に参考にするところ

マーケティング目線で検討

作品を見たことがないのに、色々と推測だけで書いてしまいましたが、もしかしたらコロナ禍という背景がなければ、ここまでのヒット作になっていなかった可能性もあるのかも?と思ったりしました。

作品のコアなファン層は、20代と40代に多いそうです。世代的なセグメンテーションも影響しているかもしれません。

どちらにしても「巣ごもり」&「SNSでのバズ」によって拡散し、普段アニメを見ない人でも興味を持つキッカケになったと思います。

また、テーマソングを歌うLisaさんの音楽は、海外での評価が高いそうです。国内での日本の音楽といえば、アイドルソングや、デジタルサウンドのようなものが人気がありますが、歌声とメロディできちんと作った楽曲は、やはり海外でも評価されるものなんだと思いました。

流行になるにはタイミングが大切

どんなに良い作品や、良いコンテンツがあっても、時代にマッチしていなければ人気がでなかったり、逆に最初は注目されていなくても、何かのきっかけで人気がでたり、タイミングはとても大切です。

タイミングを見極めるためには、「需要と供給」「時代背景」「トレンド」などを判断する力が必要だと思います。

普段からアンテナをはって、その時その時にあったトレンドを取り入れながら、「良いコンテンツ」を用意しておくことが必要ですね!

参考にさせていただいた情報: 『鬼滅の刃』は、なぜ流行ったのか? アンケート結果発表! 人気の理由はストーリー、キャラクター、設定? 映画公開をふまえ、あらためて読者の方々に聞きました!