(個人事業向き)Wix.comを使って、自分でホームページを作る方法

(個人事業向き)Wix.comを使って、自分でホームページを作る方法
(2023.11.02追記)
Wix.comのアップデートにより、当初の内容が古くなったため、現在のものに合わせて修正を行いました。

「無料のホームページ作成」サービスをご存じでしょうか?会員登録するだけで、誰でも無料でホームページが作れるオンラインサービスです。

インターネット黎明期にも、楽天ブログやfc2、ninjaなどのサービスが流行していましたが、最近は海外のサービスがローカライズされて日本にも入ってきいています。

今日は「Wix.com」に注目して、使い方や印象などをレビューしていきます。

無料のホームページ作成サービスのメリット・デメリット

無料のホームページ作成サービス

Wix.comを使うと、会員登録するだけで、インターネット上で誰でも簡単にホームページを作ることができます。

ホームページを作るサービスなので、ホームページ公開のために必要な「サーバー」「ドメイン」「デザインテンプレート」「Webページ作成エディタ」「SEO解析機能」などがあらかじめ用意されています。

昔は「ホームページビルダー」や「DreamWeaver」等のホームページ制作ソフトを購入し、自分のPC上で作ったHTMLファイルを、レンタルサーバーにアップロードして公開するような流れが一般的でしたが、現在は、オンラインで設定&操作するだけでホームページ制作を完結することができるツールが存在しています。

Wix.comを使うメリット

Wix.com(ウィックス)は、2006年にイスラエルで始まったサービスで、現在は世界中で2億人以上のユーザーが利用しています。ドラッグ&ドロップによる直観的な操作が可能で、マウスの操作と設定でレイアウトを修正できます。

無料プランでも、きちんと設定を行って作成すれば、一般的なホームページとして公開できるようになります。Webサイト制作に関する専門的な知識がなくても、PC操作ができれば誰にでも使えるところがポイントです。

Wix.comはテンプレートの種類も豊富で、600種類以上の中から自分のイメージにあったものを選ぶことができます。また、最近はAIによるアシスタント機能が充実しており、入力したキーワードによってホームページを最適化してくれる予測機能もついています。

用途に合わせて無料プラン・有料プランを選択できるため、費用をかけずにホームページが欲しい方にオススメのサービスの1つです。

Wix.com

Wix.comを使うデメリット

どのホームページもそうですが、テンプレートをカスタマイズするのにも人の力と時間が必要です。

例えば「文字を目立たせたい」などの単純な作業がしたい場合でも、PC操作に慣れてないと操作自体が難しいですし、初めての作業の場合は時間もかかります。

また、操作だけでなく中身を考えて、伝えたい内容がしっかり伝わるような構成でホームページを制作する必要もあります。

途中まで作業したけど、結局疲れて中断してしまった、ということもありますので、まずは詳しい人に、基本的な作り方を相談してみるのも1つの方法です。

どうしてWixは無料で提供されているのか?

どうしてWix.comは無料で提供可能なのかというと、無料ユーザーは「広告表示必須」や「独自ドメインの利用不可」の制限があり、利用者自身の所有物としてホームページを持つことができない仕組みになっているからです。

レンタルスペースを間借りするかわりに、Wix.comの宣伝代行を行うようなイメージです。独自ドメインを使って、自社サイトとして運用するためには、月額500円~の料金を支払う必要があります。※1

1度有料会員としてサービスを利用してもらうと、よほどの事がない限り、そのまま長い期間利用してもらうことができるため、1人あたりの会員から長期的に費用が回収できるビジネスモデル(サブスクリプション)にて運用されています。

※1 ドメインを取得しておくと、自社でオリジナルのホームページを用意するタイミングで、同じドメインを使い続けることができるため長い目でみるとオススメです。

実際の利用者の感想

実際に利用された方の意見だと「初心者にはちょっと難しい」という声も聞いています。機能が豊富なため、どれを使っていいのか迷ったり、PCとスマホに対応したページにしようとすると、それぞれのレイアウトを作成する必要があったり、制作の難易度が上がるようです。

あまりに時間がかかりそうなら、知っている人にお願いして、初回だけテンプレートをカスタマイズして作ってもらう方がコスパがいいかもしれません。

Wix.comで自分でホームページを作成する方法

それでは早速、会員登録から始めて、実際に公開するところまでの作業を進めていきます。

Step1.会員登録する

Wixの会員登録画面
メールアドレス、FacebookまたはGoogleアカウントで登録

Wix.comのサービスは、「メールアドレス」と「パスワード設定」だけで使えます。Facebook・Googleアカウントとも連動しているので、会員登録はとても簡単です。

あとからGoogleマイビジネスと連動する可能性が高いと思いますので、Googleと連携しておくと便利だと思います。会員登録は、ガイダンスに従って進めていくだけです。

Step2.ホームページのタイプと内容を選ぶ

Wix.comのサービスは、いろいろな種類のホームページを作成できるようです。入力された情報を元に、AIで自動判定しながらどのようなホームページが最適かを提案してくれる流れになっています。

最初は、「業種」や「目的」を入力し、[次へ]をクリックします。

制作したいサイトの情報入力
業種・目的入力画面

今回は、飲食店用のホームページを作ってみることにします。店舗名を聞かれたので、お店の名前を入力し[次へ]をクリックします。

お店の名前 入力画面
お店の名前 入力画面

店舗名を入力したら、サイトに追加したい機能を選択する画面に移動します。後から増やすこともできるため、必要最低限のものを選んで、[次へ]をクリックします。

サイト機能 選択画面
サイト機能 選択画面

ホームページの基本設定の最後の画面は、「ダッシュボードを開く」または「デザインを選択」の2つのメニューが用意されています。[ダッシュボードを開く]を選ぶと、サイト全体の設定や、ページの内容に関する設定を行うことができます。

デザインを選択する場合、[Wixホームページテンプレートを使う]を選ぶと、テンプレートパターンの中からテンプレートを選択する画面に進みます。[好みにあわせて作られたサイトを使う]を選ぶと、AIによって提案されたイメージを選んでデザインを決定する形になります。

ダッシュボードまたはデザイン選択画面
ダッシュボードまたはデザイン選択画面

Step3.トップページのデザインを選択する

Wix.comの初期設定画面で進むと、デザインの作成方法に2パターンから選ぶようになっています。ここでは、AIにアシスタントしてもらう方法でデザインを作成してみます。

[好みにあわせて作られたサイトを使う]をクリックすると、店舗の詳細情報の入力を求められる画面に進みます。後から設定するか、該当する情報を入力し、次の画面へ進みます。(テンプレートを選ぶ方法は、従来どおり複数のテンプレートの中から好みに合うものを選んで作る方法です)

店舗情報入力画面
詳細の入力画面

スタイル選択を行います。6つのパターンから選択を行うことができます。作りたいホームページのイメージに合わせて、ボタンをクリックします。

スタイル選択画面
スタイル選択画面

今回は、ハイライズ(モダンなスタイル)を選びました。トップページのデザイン案が3パターンほど用意されているため、3つの中から好みにあうものを選びます。

トップページデザイン案
トップページデザイン選択画面

トップページのデザインを選択したら、下層ページを用意します。必要なページをチェックし、[サイトを編集]をクリックして、デザインとページの基本設定を完了させます。

下層ページ選択画面
下層ページ選択画面

Step4.ページの中身を編集する

[サイトを編集]に進むと、サイト編集エディタ画面が開きます。このツールを使って、トップページや選択した下層ページを編集していきます。

編集メニューの各項目は専門用語も多様されているため、まったく知らない人が使う場合ちんぷんかんぷんになる可能性があります。次の章でメニューの詳細について解説します。

ページ編集画面
ページ編集画面

Wix.comのダッシュボードメニュー

サイトの基本設定が終わり、ダッシュボード画面を開くと、次のようなメニューが並んでいます。無料の機能だけでも色々と使えるものがありますので、1つ1つ確認していきます。

ダッシュボード画面の見方

Wix.comのダッシュボード画面
ダッシュボード画面

ダッシュボードには、「1.上部メニュー」と「2.サイドメニュー」の2つの大きなメニューが並んでいます。ダッシュボードホームの下には、ホームページを公開するために必要な作業のリストが並んでいる状態です。

ダッシュボード上部 横並びメニューについて

Wix.comのダッシュボードトップメニュー(左)
ページ上部左側メニュー

ダッシュボード上部のメニューの解説です。左側には、Wix.comが提供する付属のサービスの紹介や使い方に関するメニューが中心に並んでいます。ホームページの編集に関する作業に関する項目はありません。

Wix.comのダッシュボードトップメニュー(右)
ダッシュボード上部右側メニュー

ダッシュボード上部の右側には、ツールの検索、お知らせ、会員情報(アカウント設定、支払い方法、言語に関するメニュー)などが並んでいます。こちらもホームページの編集に関する作業に関する項目はありません。

ダッシュボード左メニューについて

Wix.comのダッシュボードサイドメニュー
左側メニュー

ダッシュボードの左側には、ホームページ全体に関する設定のメニューが並んでいます。上から順に次のような内容です。(最初の設定画面で選んだ機能によって、メニュー配置が異なります)

  • ホーム — ダッシュボードを表示します。
  • アクティビティ — 設定変更やサイトの更新等の運用状況が表示されます。
  • サイト概要(ウェブサイト)— 現在のホームページの編集や設定を行う画面が表示されます。
  • サイト概要(モバイルアプリ)— サイトと連動したオリジナルのアプリを作る機能のようです。
  • サイト概要(ロゴ・ブランド)— AIでロゴを生成するツール
  • レストラン — サイトの機能で設定した機能を設定します
  • サブスクリプション — ECサイトのように、オンラインで商品販売をする際の売上などを管理します
  • 特典・紹介プログラム — サイト訪問者がポイント特典を受けたり、サイトの紹介機能を追加します
  • 連絡先 — 問い合わせフォームから得た顧客情報や、サイトの会員管理などを行います
  • コミュニケーション — チャットや問い合わせフォームから来たメッセージに返信を行います
  • オートメーション — サイトの顧客に対してプロモーションなどの活動を行います
  • マーケティング・SEO — 顧客に対するプロモーションやSEO対策、マーケティング施策を設定します
  • アクセス解析・レポート — サイトのアクセス数や、詳細な利用状況、競合に関する分析などを行います
  • 会計 — ホームページ上で販売した商品の売上管理を行います
  • 設定 — ホームページに関する機能の設定や、全体の設定などを行います
  • アプリ — Wix.comで提供されている追加の機能を組み込みます

Wix.comの機能には「ブログ機能」「マーケティング機能(メール問い合わせ・メルマガ配信・SNS連動)」「顧客管理機能」など、ホームページ運営に必要な機能がひととおりそろっているようです。

ページを編集する

サイト概要(ウェブサイト)メニューから、[サイトを編集]ボタンをクリックすると、サイト編集エディタが起動し、ホーム(トップページ)の編集画面が表示されます。

ページ編集画面
ページ編集画面
  • ① 編集したいページ、PC画面・スマホ画面の変更を行います。
  • ② ドラッグ&ドロップでページの中身の編集作業を行います。
  • ③ やり直し・先に戻す、縮小などの表示設定を変更します。

主に使う機能は、②のアイコンメニューです。セクションと呼ばれる枠の中にパーツ(写真や動画、テキスト、フォームなど)を組み込みながら、PCやスマホ用の画面を修正していきます。慣れてないとわりと苦労する部分だと思います。

Googleマイビジネスと連動させる

Googleマイビジネス
Googleマイビジネスに掲載した場合に表示される情報

Googleマイビジネスとは、Googleマップ上に「お店の情報」を掲載してくれるサービスで、無料のGoogleアカウントを持っていれば誰でも申請ができるサービスです。

登録作業もそんなに複雑ではないため、Googleアカウントを取得して登録しておくことをオススメします。ホームページを作成しておくと、Googleマイビジネス上にURLも掲載することができるため、Googleマイビジネスからのアクセスアップも期待できます。

Googleマイビジネス

また、Googleマイビジネスに登録すると「Google広告」への出稿がアナウンスされると思います。Google広告を出すと「検索結果」への上位表示ができるため、ホームページをPRしやすくなります。

広告を活用した集客はすぐに決済へ紐づかない場合、広告費だけが無駄にかかってしまうケースもあるため、計画的に対応を行いましょう。

ドメインを取得する

ドメインとはhttp://www.〇〇〇.com/のような、URLとして使用される、ホームページの住所のことです。

Wix.comは無料プランのままだと、https://web〇〇〇.wixsite.com/ホームページのページ名/ のようなドメインになってしまい、Wix.comの無料サービスを利用しているホームページ、ということがすぐにわかってしまいます。

ドメイン設定画面
ドメイン設定画面

オリジナルドメインを使って「Wix.comの広告」を消すためには、月額1,200円(年払いの場合)が必要です。特に高度な機能が必要でなければ、月額1,200円の固定費で自作のホームページを持つことができると考えることができます。

もし将来Wix.comのサービス利用を止めてホームページリニューアルを検討した際も、ドメインを取得して設定しておくと、新しいホームページでそのまま使い続けることができます。

ユーザーにブックマークしてもらったり、名刺に掲載しておいて、後からホームページをリニューアルする場合も、URLを元にその会社やお店のホームページを訪問することができます。

オリジナルドメインに設定する場合

ドメインはわかりやすくて短い名前で取得します。店舗や会社の名前で取得できるのが1番ですが、先着順でしか登録できないため、すでに取得した人がいた場合は、別のドメイン名で取得する必要があります。

ドメインを取得したら、有料プランに切り替えて、[ドメインを接続する]作業をすれば設定完了です。(この作業は、ホームページ制作がすべて完了した時点で実行すれば大丈夫です)

ホームページを公開する

ひととおり作業が完了したら、ホームページを公開します。ダッシュボードから[サイトを公開]というボタンがあるので、そこを押すだけで公開できます。URLにアクセスすると、PCやスマホから見ることが出来るようになっています。

自分で作業することによって「時間」と「手間」はかかりますが、月額費用は安くホームページが作れます。ホームページが欲しいけど、初期費用をかけてまで作りたくない場合には、良い選択肢でしょう。

あとは、SNSと合わせて活用したり、マーケティングのことを勉強しながら運用していきます。

Wix.comの無料ホームページ作成サービスを使ってみた感想

自分でホームページを作る

全体的な感想ですが、「無料サービス」といえど「無料のまま使う」のは難しいと思います。年12,000円くらいの費用で、ドメインとサーバー・ホームページ一式が手に入り、そこそこのクオリティなら、そんなに悪くはないと思いました。ただ、自分でメンテナンスをしたり、掲載コンテンツを用意したりする手間は避けられないので、時間があって、ホームページ作成ツールのことを勉強する余裕がある方向けのサービスだと思います。

個人サイト向けにWix.comを使う場合

個人サイトを作成する場合、費用をかけずにホームページを用意する方法としてWix.comは便利な手段です。

ただし、ブログでアフィリエイトをやったり、コミュニティサイトを運営するような目的がある場合、別の手段を検討することも考えられます。

個人サイトの場合、個人事業主やフリーランサーのポートフォリオ制作などに向いてるツールだといえるでしょう。

会社のホームページを作る場合

会社のホームページをWix.comで作成する場合、Wix.comに慣れている人が作業しないと情報がまとまらなくなる可能性があります。

操作方法はもちろんのこと、掲載するコンテンツについても検討が必要になり、さらにドラッグ&ドロップの操作でレイアウトがグチャグチャになる可能性もあるため注意が必要です。

会社紹介など1ページ完結型のサイトを用意する場合はWix.comでも対応ができます。あまり凝ったことをしようとせず、基本的な情報を掲載して、名刺代わりに使いたいような目的だとWix.comは便利だと思いますが、ホームページ担当者が専任ではなく入れ替わる可能性もある場合、管理がしずらくなる可能性が高いです。

ホームページのことを長期的に考えた場合

サイトのメンテナンスやを長期運用を考えると、Wix.comよりもWordpressでホームページを作るほうがオススメです。

WordPressの場合、カスタマイズがしやすいことと、豊富なテンプレート・さまざまなプラグインなど拡張性が高いところがポイントです。また、長期運用する場合、サーバー・ドメイン費用だけで維持が可能です。

Wixの場合、独特のクセがあること、ページに統一したルールを適用することが難しい等、個別のルールが適用しにくいなどの特徴があります。

オリジナリティのある自社サイトを運用したい場合、将来的にはリニューアルを検討する形になるでしょう。

ホームページ制作費用をおさえるには?

経営支援向けの「助成金・補助金」を申請して通れば、自費をおさえてホームページ制作ができる可能性もあります。会社所在地の市町村役場や商工会などのホームページから情報収集して、臨機応援に活用しましょう。

【2024年8月版】広告宣伝費に使える「小規模事業者持続化補助金」とは?
【2024年8月版】広告宣伝費に使える「小規模事業者持続化補助金」とは?

会社の製品やサービスのPR(ホームページ制作やシステム開発、サイトリニューアル、チラシ・パンフレット作成等)のための広告宣伝費に使える小規模事業者持続化補助金(最大50~250万円)について詳しく解説しました。 […]