個人事業主には欠かせない営業ツールである、ホームページやポートフォリオ。実は、ポートフォリオの内容によって、案件獲得ができるかどうかと言われるほど重要なものです。しかし、どのように作成したらよいのか、自分で作成できるのかについて気になる人も多いでしょう。
実際、ポートフォリオには抑えるべきポイントがあり、しっかり理解しておくことでベストなページを作成する近道になります。そこで、今回は個人事業主がホームページやポートフォリオを作成するときのポイントや掲載内容を詳しく解説します。
目次
個人事業主にホームページやポートフォリオが必要な理由

個人事業主は会社に所属していないことから、自分で仕事を獲得していく必要があります。
そこで重要となるのがホームページやポートフォリオです。
ホームページは自分が仕事をしていない時間でも、24時間365日働いてくれる「あなた自身の顔」となるものです。その中でも、ポートフォリオとして今までの実績や経験を載せておくことで、クライアントの判断材料となる重要な営業ツールとなります。
ポートフォリオ作成のポイント
ポートフォリオを作成するときには、ポイントを抑えて作成することで、より質の良い物が出来上がります。
クライアントが知りたい情報を漏らさない
ポートフォリオを作成する目的は、クライアントからの仕事の受注をすることです。そのため、クライアントの目線で知りたい情報を漏らさず記載しましょう。
- 対応可能な範囲をできるだけわかりやすく書く
- 目を引くようなキャッチコピーを入れる
- 今までの実績を複数載せている
どこまでの内容を記載するか迷ったら、「クライアントが求めること」に立ち戻り、作成すると良いでしょう。
同業他社と差別化できているか
エンジニアやライターなど、世の中には同業他社は数えきれないほどいるのが事実です。そのため、同業他社といかに差別化できるか(加点ポイントを持っているか)によって、仕事を獲得できる可能性が高まります。
同業他社のポートフォリオも参考にし、そのうえで、同業他社が対応していない業務範囲や、あなた自身の強みを書くことで、より伝わりやすいポートフォリオに近づくでしょう。
なるべく具体的な数値を入れる
ポートフォリオを記載するときは、なるべく具体的な数値を用いて作成するほうがイメージしやすくなります。
たとえば、取引実績なら「リピート率〇%」、マーケターなら「改善提案を行ったことで、クリック率が20%アップした」、「〇年ほど実務に携わった」など、具体的に書くことが理想です。
ポートフォリオに載せておく項目

ポートフォリオ作成する前には、記載する情報の整理をしておきましょう。ポートフォリオは、「必要な情報」をわかりやすく載せることでスムーズに作成を進められます。
アピールポイント
ポートフォリオには実績やプロフィールを掲載しますが、アピールポイントも重要です。実績を羅列するだけのポートフォリオが多いので、強みや自身の性格などを書くことも差別化にもなります。
具体的には、以下のような内容です。
- 自分が得意とする分野
- どのような思いで仕事に取り組んでいるか
- 求める仕事に合う自分の実績
- 何を目指しているか(将来どのようになりたいか)
実績が物足りないと感じても、価値観や仕事への思いを見て依頼してもらえることも少なくありません。強みを明確に打ち出し、魅力的なポートフォリオにしましょう。
今までの実績(過去の経歴)
「実績」は、仕事を依頼するか判断するうえでも重要な判断材料になります。たとえば、「得意な作業を証明できる実績」や「幅広い業務内容に対応できる」など、ポイントを抑えて作成すると良いでしょう。
注意したいのは、これまでの実績を全て記載することです。自信があるもの、得意なジャンルなど、いくつかの内容からピックアップして載せることをおすすめします。
さらに、制作過程や工夫した点もプラスして記載すると良いでしょう。クライアントが見たとき、対応可能な業務範囲が分かれば仕事の依頼がしやすくなります。
対応できるサービス・料金
対応できるサービスや料金は、明確にポートフォリオに記載しておきましょう。基本的には、以下の内容に分けて記載するとわかりやすいです。
- 基本プランで対応できるサービスと料金(基本料金)
- オプションのサービスと料金(基本作業に加え、追加で何化する場合にかかる料金)
クライアントの中には、なるべく安くお願いしたい依頼もあれば、幅広く対応してほしいという依頼もあります。基本プランとオプションを記載しておくことで、契約後のトラブルも避けられるというメリットもあります。
一方で、個別に見積もりをしないと料金が出せない業種もあるので、その場合は参考となる金額を掲載するなど必要に応じて書き方を工夫すると良いでしょう。
プロフィール
ポートフォリオは、実績だけではなく自己紹介の役割もあるのでプロフィールの記載も重要です。
載せる内容としては、以下のようなことを記載します。
- 名前
- 年齢
- 性別
- 出身地、活動拠点
- 経歴
- スキル
- 連絡先(メールアドレスや電話など)
- ブログやSNSのアカウント
- 顔写真や似顔絵、アイコンなど
年齢や出身地、電話番号など、載せたくない内容は無理に記載する必要はありません。しかし、情報が少なすぎる場合、「人となり」がわからず依頼しにくいということにもなります。
そのため、載せられる内容はできるだけ載せておくとチャンスを逃しにくくなるでしょう。ただし、個人情報になるため、ホームページであればロックをかけて一部の人にのみ公開するなど、くれぐれも情報の公開範囲に気を付ける必要があります。
不安な場合は、ニックネーム等で公開できるページを用意し、個人情報に関わる部分は個別にやりとりをするなど、必要に応じて使い分けることが大切です。
フリーランスのポートフォリオ作成方法

フリーランスがポートフォリオを作成する方法は、主に2つあります。
「自分で作成する」もしくは「作成を外注する」方法があり、それぞれのメリット・デメリットを開設します。
個人で作成する
時間に余裕があるなら、自分で作成するほうがコストも抑えて作成できるというメリットがあります。簡単なホームページやポートフォリオなら、テンプレートを活用して無料で作成できるツールも登場しています。
【無料でポートフォリオサイトが作成できるツール】
- WordPress:Webの知識があれば本格的な作成ができる
- Strikingly:無料でもページ制限のない作成が可能
- Jimbo:簡単に直感的な操作で作れる
- Canva:パワーポイント形式のスライドなども見映えよく作成できる
細かいメンテナンスやニュアンスも、自分でやったほうがスムーズに進められます。
公開用のホームページとして作るためにはある程度のWeb知識が求められるので、プロが作成するよりクオリティが低くなるのは妥協しなければなりません。
作成を外注する
デザインにこだわりたい場合や、時間がとれない場合は、作成をプロに外注するのも方法の1つです。
気になるのは、ポートフォリオやホームページを外注するときのコスト。実際に外注すると数万円~数十万円までと、業者や依頼する内容によって大きく異なります。
ポートフォリオを外注する場合は、フリーランス制作者など、比較的安価で作業を引き受けてくれる相手から実際に話を聞いてみることをおすすめします。オンラインでも良いので、一度話をしてみることで相手との相性も見極められます。
ポートフォリオやホームページ作成の注意点
ポートフォリオやホームページを作成するときの注意点も確認しておきましょう。
実績は公開可能かクライアントに確認する
今までに対応した案件を実績として載せたいなら、クライアントに必ず許可をとる必要があります。
クライアントによっては、実績として公開することがNGなこともあります。前職など企業で作成した内容は基本的に会社の案件となるため、ほとんどの場合実績と数えてはいけないというルールがあります。
無許可で掲載すると、最悪の場合トラブルに発展するため、事前に許可をとるようにしましょう。
作成したあとも定期的に見直しをする
ポートフォリオは、一度作成した後も定期的に見直しが必要です。あなた自身のスキルは日々向上し実績も増えていくので、それに合わせて実績も更新していく方が有利です。
また、実績のほかにもメールアドレスや年齢など、変更した部分があれば修正が必要です。
ポートフォリオを放置していると、活動していないと勘違いされてしまうこともあるので、最低でも半年に1回は内容を確認して更新しておきましょう。
顧客獲得のためのポートフォリオ作成は大切!

今回は個人事業主がホームページやポートフォリオを作成するときのポイントについて解説しました。
簡単なホームページなら無料で作成できるツールがあるので、自分自身で作成することも可能です。一方で、独自性を打ち出したい、同業他社と差別化したい場合はプロの制作者に依頼することも選択肢の1つです。
個人事業主がスキルアップするためには顧客を増やし、実績を積むことが大切です。まずは現在のポートフォリオを作成することで、新規クライアント獲得にもつながるので、試してみてくださいね。