個人事業主(フリーランス)が持続可能なビジネスを続けるための考え方

個人事業主(フリーランス)が持続可能なビジネスを続けるための考え方

起業してから7ヵ月目に入りました。半年が経過して、ようやく少しずつですが"安定してきた"と感じています。

6ヵ月というサイクルが、何かを開始して振り返る良いタイミングかもしれません。この記事では、今までの振り返りを元に「個人事業主が事業を継続していくために何が必要か」について考えたことをまとめました。

個人で「事業を回すこと」とは?

社会

「事業」を辞書でひくと、"生産・営利などの一定の目的を持って継続的に、組織・会社・商店などを経営する仕事。"と定義※1されています。「個人事業」の場合は文字通り、「個人」で「営利目的」の仕事をすることを意味します。

事業を回すということは、提供できる「付加価値」によって収益を発生させる仕組み(ビジネスモデル)を動かすということです。

※1 goo辞書 より

どのような「ビジネスモデル」なのかを推敲する

「ビジネスモデル」を考える前に、自分自身の推しの商品が何かを自分自身で把握する必要があります。

  • 技術を販売するサービス → 設計士、エンジニア、美容師、整体師等
  • 知識を販売するサービス → 弁護士、会計士、税理士、行政書士等
  • ノウハウを提供するサービス → コンサルタント、アドバイザー等
  • 商品を提供するサービス → 卸売り、小売り、飲食店等
  • 商品を生産するサービス → 農業、漁業、製造業等

1つの商品をとっても、販売形態によってさまざまな違いがあります。

たとえば、スマートフォンの販売であれば「新品」「中古」「ジャンク品」などの区分けができ、さらに販売事業者によって「メーカー」「代理店」「個人」などさまざまな事業形態があります。

1つのサービスにしても同様です。同じ「ラーメン店」であっても、立地、メニュー、サービス品質、価格等、提供する店によってさまざまな違いが生まれます。

自分自身が提供する「商品やサービスが何」で、「提供するために何が必要で」「誰がお客さんで」「具体的にどのように販売するのか」を考える作業がビジネスモデルを考えるための第一歩です。

ビジネス(事業)を始めるための仕組みづくり。自分自身に合ったビジネスモデルとは?
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レッドオーシャン・ブルーオーシャン

事業を行う上で、マーケット(市場)を知ることも大切です。たとえば、「Youtube」でインフルエンサーになる活動は、レッドオーシャン・ブルーオーシャン、どちらでしょうか?

マーケットが成熟し、人が集まって多くの方が利用している状況が「レッドオーシャン」です。逆に人が少なく、あまり利用者はいないけど、事業がしやすい環境が「ブルーオーシャン」になります。

人がたくさんいれば競合も多く、差別化に苦労します。ですが、人が全くいない場所で事業を行っても、集客できずに売上につながりにくくなります。

実力があっても、環境が合っていない場合、事業が回らないという可能性にもなるため、ビジネス環境を適宜見直すことも大切になります。

キャッシュ・フローを考える

キャッスフロー

事業を継続していくためには、資金管理が大切です。「売上」「経費」「利益」のバランスがとれていれば(キャッシュ・フローに問題がなければ)、維持するための費用が捻出できるため、事業を継続することが可能になります。

最低限必要な「売上」と「経費」を算出し、リスクをおさえながら「利益」を増やす方法を検討することで、手元の資金が増え、事業が成長することへつながっていきます。

持続可能な個人事業のためにできること

将来を見据える

個人事業を回していくうえで、サステナビリティ(持続可能な状態)を目指すには、人間同士の相互理解や、将来に対する予測も大切です。

事業は「人対人」がつながって成り立つものになるため、BtoB、BtoCのビジネスモデルに関わらず、販売元と販売先の関係性を見直すことも持続可能なビジネスにつながっていきます。

長期的なビジョンを持って計画を立てる

将来の目標があることで、現在の取り組みが目標の中のどの位置にあるかを客観的に判断できるようになります。

目指すものが大きくても小さくても、「目的(手段を活用して達成すべきこと)」と「目標(将来の理想的な姿)」がないと、計画を立てることができないため、ビジネスを定期的に見直すことが大切です。

周りの人たちとの関係性を見直す

個人事業は1人でやるものだとしても、仕事で関わる顧客や協力者以外に、家族や友人のサポートもあって成立しているものです。

事業だけが上手くいけばよいというものではなく、周りの人たちとの良好な関係があってこそ、長期的な継続につながっていきます。

マーケティングや外部環境を考慮する

事業を継続していく上で、現在のマーケットの状況を知ることは大切です。例えば、商品や原材料の仕入れ価格、平均的な人件費にかかる費用、販売価格、安定した供給が可能かどうかなど、状況に応じて変化するビジネス環境にアンテナを立てておくことが必要です。

また、法律が変わることで対応しなければいけないことが増えたり、制限がかかったり、ビジネスだけの問題だけでなく、政治などの問題も影響することがあります。

取引を進める上で大切なこと

信用取引

「取引」を進めるうえで大切なことは「最初に約束したことは、必ず守る」ということです。

  • 納期を守る
  • 予算を守る
  • 品質を担保する
  • 対応をしっかり行う

このルールをしっかり守っていくことが「信頼関係」の構築につながります。言葉だけの約束で結果がともなわなければ、相互に信頼関係を構築することは難しく、継続的な取引にはつながりにくくなります。

業務プロセスを見直して全体を改善する

生産プロセスの見直し

事業を継続するためにはキャッシュ・フロー管理も大切ですが、商品やサービス提供を行うまでの一連の流れを見直すことによって、経費が削減できたり、売上が上がるポイントを見つけ、業務改善できる可能性が高まります。

まずは、事業のボトルネックを見極めることが重要です。

仕入れ → プロモーション(営業) → 生産・開発 → 納品 → 運用(カスタマーサポート)、の各プロセスにおける状況を整理し、うまくいっていないところと改善できる箇所を探していきます。

課題になっている箇所を特定して、改善を行っていくことで、少しずつ全体が良くなり、結果として事業全体のプラスにつながっていきます。

やっぱり「脱」サラリーマン思考が大切

ブレイクスルー

不思議なことに、過去に管理職をされていた方が、組織を離れて個人事業主になると、「事業」に対する目線が損なわれてしまうケースを見かけることがあります。ご本人はスキルも経験値も高いのですが、なぜか個人事業ではうまくいかないパターンです。

これが「脱」サラリーマンにとって必要な考え方のポイントだと思います。プロジェクトとして与えられたミッションに対応するのではなく、自分自身で物事の全体像をとらえて、課題を発見し、課題解決をするための創造能力が求められます。

個人事業として、どの方針でやっていくのかはその人自身の考え方によると思います。優れた技術者(専門家)になるのか、何かの商材を販売する営業職としてやっていくのか、人を雇って組織を動かしていくのかでもアプローチは異なります。ですが、「自分が決めたことを自分でやる」という決心をするところは同じです。

「結果を出す」ということは、複雑で時間もかかる作業ですが、やりきる、という想いが辛い状況を乗り越えるための原動力になります。事業継続のために1番必要なものは、情熱(パッション)かもしれません。

BtoB/BtoCビジネスの特徴を理解して、きっちり自分のビジネスモデルに落とし込む方法
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BtoBとBtoCの違いを理解し、ビジネスモデルを検討した上で事業を開始することはとても大切です。事業計画を書くことも理解に役に立ちます。まずは基本的な考え方を元に、どうすればより良いビジネスにつながるかを考えてみましょう。 […]