ビジネスを始める際は「仕組みづくり」が大事だと言います。仕組みづくりとは、ビジネスを動かすための基盤(システム)全体を作る作業のことです。
この記事では、これから新しく事業を始める方のために、最初にどういったことを検討して、何をやるべきかのヒントになることを解説をします。
目次
1.自分自身が始めるビジネスモデルは何か?
まず、ビジネスを始めるためには「ビジネスモデル」の検討が1番最初の作業になります。モデルとは、ビジネスの模型のようなもので、収益を生み出すための一連の設計図です。
ビジネスの目的は、「物やサービスを顧客に販売して収益を発生させること」ですので、売上(利益)獲得が目標になります。
ビジネスの売上の核になるものは?
ビジネスモデルを考える際は「収益を発生させるために、何が原資になるか?」がポイントです。
例えば「商品」が該当します。メーカーであれば「自社製品」、卸売りであれば「素材」や「メーカーから直接購入した商品」、小売りであれば「卸売から購入した商品」が考えられます。
サービス業の場合は「時間対価や労働報酬で提供するサービス」などが該当します。「時間単位でサービスするマッサージサービス」、「専門家による顧問サービス」「実務代行サービス」、「代理店サービス」や「紹介サービス」、などが該当します。
また、提供するものの中身によっても「かかる費用(初期・ランニング)」や「対象となる顧客」、「マーケット(販売場所)」も変わってきます。
ビジネスモデルを見える化して整理整頓
何を軸に売上を立てるのかを検討した上で、その売上を立てる方法によって、月々にどのくらいの売上が見込め、提供までにどのくらいの時間がかかるのか?を考えるようにすると、少しずつビジネスモデルのイメージができるようになっていきます。
図や表にして、わかりやすく情報を整理しておくと、自分自身でも把握しやすく、他者に伝える際にも役に立ちます。(メニュー表や自己紹介シート、ホームページなどにも掲載できます)
複数のビジネスモデルを組み合わせることによって、より様々な収益化の方法が検討できるため、対応できるタイミングでビジネスモデルを増やしてみるのも方法の1つです。
時代にあったものを選ぶことも大切
ビジネスモデル自体は模倣されることも多々あるため、自分自身の経験値が高い分野で、他社がやっているビジネスモデルを真似して組み立ててみることも1つの方法です。(他社がやっている=需要があって、そのビジネスが世の中で成立していることがあらかじめ担保されているからです)
ビジネスモデルは時代の変化とともに、マッチしたものを検討する必要があります。
例えば、家電製品の販売などがわかりやすいですが、もし今から「CDラジカセ」を販売するビジネスモデルを検討して売上を伸ばそうとしても、スマホとデジタル音楽配信サービスなどの「より便利で安価なもの」に代替えされ、最初から需要の見込みがないなど、始める前から難易度が高くなっているためです。(アイデアによってはニッチ市場に刺さることもあるかもしれません)
スタートラインは、売れる商品やサービスを探して売ってみることが大切かと思います。
2.自分自身のオリジナリティを考える
ビジネスモデルが検討できたら、次は「自分らしさ(個性)」を考えます。
例えば、「あんパン」を1つ売るにしても、個性がないと他社との差別化ができません。
- 質の良い材料を使ってる
- 安全性の高い設備で製造されている
- 1つ1つ手作りで作っている
- とにかく安い
- とにかく量が多い
何かの個性(強み)を持つことによって他社との差別化ができるようになります。
お店であんパンが100円で売られてるとして、次のように並んでいるとします。
- A.質が良い材料で、手作りで作られている
- B.工場でまとめて製造されているので、量が多い
どちらを購入するかは顧客次第ですし、その時のタイミングにもよります。売り方や見せ方にもよるため、様々な工夫が必要です。
そのあたりを踏まえて、自分自身で文章に起こすなど、どういったプラス要素があるのかを検討していくと、さらにビジネスモデルのブラッシュアップにつながります。
3.利益を増やす方法を検討する
ビジネスにおいては、「物やサービスを販売した金額」から「かかった費用」を引いて、残った部分が「純利益」になります。
利益を増やすためには、下記のいずれかで対応が可能です。
- 売上を伸ばす
- コストを減らす
売上を上げるためのプロモーションを計画
化粧品の販売代理店の場合、売上を伸ばすためには、在庫を沢山用意し、顧客を増やし、販売量を増やしていくことで売上として伸ばしていくことができます。
販売する方法を店舗とオンラインのどちらも使ったり、店舗の数を増やしたり、オンラインでの販売先を増やしたり、とにかく顧客が集まりそうな場所でPRを行い、認知を増やしながら、実際に手にとって買ってもらうまでの流れをブラッシュアップしていきます。
広告宣伝をどのようにするか?だけでも、チラシを使ってローカルの人にPRするのか、SNSを使って拡散するのか、YoutubeやTikTokの動画を利用するのか、ホームページのアクセス数を増やすのか、広告を使って多くの人に見てもらうのか等、様々な方法があるかと思います。
ブランディングを意識する
さらに、販売戦略としてビジュアルやコンセプトを強化し「ブランド」として売り出したり、レベルの高いスタッフを採用したり、オーガニックや地球環境に優しい素材を使ったり、ブランド価値を高めるための色々なことが検討できます。
かかる経費(コスト)のことも考える
売上を伸ばすためには、当然それぞれの部分で「資金」が必要になります。
かかる費用が経費(コスト)になりますが、「資金を用意する」→「資金を使って売上を作るための準備をする」→「実際に売上を作る」の流れが基本になるため、最初のうちは資金を使うところ(赤字)からスタートします。
資金の調達方法も様々で、「銀行から借りる」「貯金を使う」「株式を発行して買ってもらう」「補助金などを活用する」など色々あるかと思います。資金は調達したら、返済もセットで考える必要があるため、借りたものをどうやって返すかの計画も必要になります。
サステナブルな経営をするために資金管理が必要
事業を継続させるためには「運転資金」は必ず必要です。利益が赤字の状態でも、黒字化するまで事業が継続できるようしなければいけません。
さらに黒字化したら、全体を見渡して「さらに売上を伸ばす方法」「コストをできるだけ抑える方法」を考えるようにしていきます。(利益が発生するということは、利益に対して税金もかかってくるので、そこも考慮した上での資金管理が必要です)
どの業種にもいえることかと思いますが、外注を使ったり、他社の製品を買うと、どうしてもプラスの費用がかかります。利益率を最大化するには、自社で作った商品を自社で販売して、すべて一気通貫で対応することで、全体的な経費節減につながります。
ただし、すべての仕組みを自装するということは、1つ1つに対応していくためのコストも時間もかかり、回りだすための動力(資金)も必要になるため、まずは予算に合った良いサービスを提供してくれるところを探すのも1つの方法です。
どういう組立て方だと最小限のコストで回せるかを考えて、まずは小さくとも「売上げ」を立てるところがスタート地点になります。
4.オペレーション(仕事の流れ)について考える
事業(ビジネス)を行う際は、法人であっても個人事業であっても、バックオフィス業務が発生します。最初は資金節約のために全部自分でやる、ということを考えると、時間はいくらあっても足りなくなります。
効率化ができるところは効率化し、ショートカットしながら本業に取り組むことが大切です。
たとえば、「税務」「人事」「労務」などが基本的なバックオフィス業務になりますが、それ以外にも「広報」や「営業」など実務以外の作業を外部委託(アウトソース)することもできます。税務1つとっても、次のような選択肢があります。
- 会計ソフトを使って自分で対応する
- 顧問税理士を雇って対応してもらう
- 経理部署を用意し、担当者に対応してもらう
かかる費用と、コストパフォーマンスを鑑みながら、どの方法だったら自分の事業形態にあっているかを選択し、業務ごとに組み合わせた対応が必要になるかと思います。
DX(デジタルトランスフォーメーション)もその選択肢の中の1つです。業務自体を効率化させるために、自社で業務アプリを作成し、無駄な作業をなくす工夫をしたり、より便利で速く対応できるようなツールを利用したり、あくまで「効率化」をすることを目的に導入を行います。効率化を図ることで、かかる時間と費用を最終的に減らすことにつながるため、利益率という部分でも改善が考えられます。
全てが「最適解」とはいかなくとも、効率の良い方法を選んで対応していくことで、スピード感がありコストパフォーマンスの良い業務体制が作れるようになるかと思います。
5.事業はボトルネックを見つける旅
初めて訪問した施設で「ここ転びやすくなってるから気を付けてくださいね」と言われることがあるかもしれません。人は、すでに起きた事や起こりやすい事については「気を付ける」ということができますが、起きていないことについて予知する能力はありません。
予想はできますが、100%ではないため、オペレーションを回していくうちに失敗したり、うまくいかない部分がでてきます。
ここを改善していく作業が「PDCA」です。PDCAは、Plan:計画 → D:実行 → C:確認 → A:改善をグルグル繰り返していく考え方です。ビジネスモデルがハッキリしている場合、最初に計画をたて、実行し、うまくいった箇所・うまく行かない箇所を確認し、改善を行います。
最初は50万円の収益を1ヵ月で立てる計画で始めたものが、「予定していたものが調達できなかった」「途中で契約破棄された」「人間関係でトラブルがあった」など、計画とは別の問題が発生することもあります。
再発防止のために、より良くする方法を検討し、少しずつ改善していくことで物事は必ず良くなっていくので、あきらめずに継続することが大切です。
新規事業をご検討の際はぜひEzONEにご相談ください!
EzONEでは、Web制作サービスを中心に、新規事業をご検討の事業者さまと並走してサービスを提供させていただいております。
事業の策定から、資金計画(補助金活用や予算配分)、運用方法まで、一緒にビジネスを成功させるためのITアドバイザリーとしても対応させていただきます。
貴社専用のホームページ制作や、ECサイトの開発もご予算に合わせて対応が可能です。お気軽にご相談ください。