テレワークが浸透し、副業やフリーランスでオンラインで仕事をするためのマッチングサービスを利用する方も増えていますね。
今日は、「ワーカー募集でご提案をいただいた中で、実際に誰を採用するか」をクライアント視点でまとめてみました。
クラウドソージングサービスを利用して効率的に提案し、継続的なお仕事につなげるためのヒントになれば幸いです!
依頼側が、応募者の情報を確認していくステップ
クラウドワークスやLancersで「ワーカー募集」をかけると、よほど無茶な内容でないかぎり、一定数の応募があります。受け取れる「報酬金額」が高いほど、案件に人が集まってきます。
うちの場合でも、ワーカー募集をかけると結構な数の応募をいただくことが多いですが、ご提案内容はピンキリです。1件1件応募内容を確認し、メモなどをとって、気になる方に何人か質問し、最終決断にいたります。
そこで、依頼者として最終決断に至るまでに、どういう選考をしていくのかについて解説していきたいと思います。
見積りの金額が最初のハードル
まず最初に確認するのが、各応募者から提案された「見積りの金額」です。依頼者側には予算があって、クライアントからいただく報酬額も決まっています。赤字になってしまっては、依頼する意味がありません。
例えば、予算を「50,000~100,000円」で募集をかけているとします。
そこで、契約金額を「100,000円(税抜)」で出した場合、その時点で依頼主側との予算の誤差が生じる可能性があります。なぜなら、
クラウドワークスの受け取り金額の計算式
クラウドワークスの場合、次の数式を使って、金額の計算が行われます。
(例)契約金額 90,000円(税抜)の場合
■契約金:90,000円 + 消費税10% = 99,000円(税込)
■システム利用料: 契約金99,000円(税込)× 20% = 19,800円(税抜)+ 消費税10% = 21,780円(税込)
■ワーカー受取金額: 契約金99,000円(税込)- システム利用料21,780円(税込)- 契約金額の消費税9,000円 = 68,220円
もし依頼者が、トータル10万円(税・システム手数料込)の予算でワーカーを募集した場合、ワーカーの受取金額は68,220円になることが期待されます。しかし、契約金額100,000円(税抜)で見積りした場合だと、依頼者が支払う金額は、トータルで132,200円(税・システム手数料込)となり、32,200円の手数料差額ができてしまいます。
この32,200円が、予算に含まれているかどうかは応募者側にはわかりません。
安いだけがメリットにはなりませんが、金額の計算は、相手の立場を理解して提案した方が、次の項目審査につながりやすいかと思います。
もし自分自身の経験やスキルに不安があり、競合ワーカーとレベル差を感じる場合は、安めに見積りして、やる気をPRしてみるなど、技術力をカバーできる提案をしてみるのも1つの方法です。
※あまりに安すぎるのも相手を不安にさせるので、妥当な金額を見積りしましょう。
案件概要に沿った提案であるかどうか?
第一関門の見積り金額をクリアした提案の中から、次は相手の提案内容を確認していきます。
コメントを読んで判断するポイントは、「今回の案件に対して、実際に具体的な内容で提案してあるかどうか」です。コピペだけの自己紹介文より、しっかり募集概要を読んで応募したことが伝わる方が良い印象を与えます。
依頼者側にとっては、「今回の案件が理想どおり実現できるかできないか」が重要です。付加価値のある提案があれば加点ポイントにはなると思いますが、 まずは「依頼者側の言ったことをきちんと理解して、対応してくれそうな相手かどうか」が大切な判断のポイントになります。
応募者の紹介文や経歴のチェック
ジョブマッチングサービス内の文章のやりとりだけでは、相手の人柄や性格まではわかりません。
そこで次に手掛かりになるのが、自己紹介文や過去の実績です。経歴は、何を何年ぐらいやってきたか程度の略歴で良いと思います。
クラウドワークス内の「実績」や「レビュー」の方が成果物として判断しやすいため、どういった作業を過去に対応してきたか、の判断ポイントになりやすいです。
特に「今回の案件と類似する経験があるか」「今回の案件をスムーズにきちんと対応できるか」が見られると思います。ここまで選考に残れば、相手との具体的なやり取りが発生するはずです。
メッセージが来たり、オンラインでのミーティングを希望されるかもしれません。
※応募者の中には嘘の実績を提案する人もいます。採用する側にも不安があるため、レビューは特に評価のポイントになるでしょう。
検討段階が進んだ状態で、さらに比較されるもの
案件単価にもよると思いますが、高額な依頼になればなるほど、直接コミュニケーションをとって相性が良さそうか、対応がいいか、周りからの評判はどうか、なども判断されるようになります。
応募者のレビュー(評価)による判断
自己紹介や、案件に対する意気込み・対応能力を判断したら、次は周りからの評判を見られると思います。
特に見られるのが「良い評価」ではなく、「悪い評価」です。応募者の過去の実績を見て、「悪い評価」を中心に、なぜ悪い評価がついたのか?を判断していきます。
理由が書いてあれば、その理由を確認します。「対応が悪かった」「納期が遅れた」「連絡がつかなくなった」「品質が悪かった」などが書いてあると、かなりのマイナスポイントです。
人はメリットよりも、リスクをとりたくない、と考える生物ですので、悪い評判が多い場合、競争率の高い案件は受注できないと思った方がいいかもしれません。
コミュニケーション能力があるかどうか
仕事を一緒に進める上で、コミュニケーションをはかって、お互いの相性を見たり、実際にパートナーになれるかどうかを判断することは大切です。
特に確認するのは、下記の項目になります。
- レスポンスが早いかどうか
- こちらの相談にのってくれるかどうか
- 具体的な解決策やアイデアを提案してくれるかどうか
このあたりで、良い対応をしてくれる人であれば、依頼者の気持ちはだいぶ固まっているはずです。もし今回の案件で選考されなかったとしても、また次の案件で相談されることがあるかもしれません。
クラウドワークス以外にも、エージェントが直接案件を紹介してくれるサービスもあります。
フリーランスエンジニア向け高単価案件:freelance hub
お仕事マッチングサービスを利用する目的
お仕事マッチングサービスは、システム利用料が非常に高く、依頼者側にとっても、受注者側にとっても、継続的に利用するには少し難しいサービスでもありますが、それでも年々利用者は増加傾向にあります。
双方のメリットとデメリット
インターネット上で知り合った人とお互いにやり取りをして、発注・受注することは、お互いにとってリスクが発生することでもあります。
発注者側からすると「相手が納期をきちんと守って、こちらが依頼した内容にそってきちんと仕事をしてくれるかどうか」がわからない状態で発注します。
受注者側からすると「相手の依頼内容が変更なく、最初から最後まで一貫した内容かどうか。支払いはきちんとしてくれるかどうか」がわからない状態で受注します。
企業が人材を採用する際も、同じようなリスクが発生しますが、それでもオンラインだけで完結し、お互いの移動距離にかかるコストやコミュニケーションの効率化ができる働き方には大きなメリットが存在します。
顧客満足度を高めることが大切
仕事を進める上で大切なことは、相手がどれほど口が上手く、最初に提案力があったとしても、「1度利用してみて満足したかどうか」によると思います。
これは、ビジネス全般にいえるかと思いますが、「言ったことと、実際のサービス内容は一致する」(有言実行)、ことが大切です。
人は「安かろう悪かろう」は求めておらず、「高くても安くても、良いもの」を求めています。
"良いもの"、と思えば高くても買おうとするし、それがもし安くなっていたり、安価で提供されている場合は、多くの人が欲しいと思うでしょう。
ですので、仕事とは、お客さまを幸せにするためのものだと思って、取り組んでみましょう。
受注できなくてもクヨクヨしない!
しっかり提案しても、過去の実績や案件によって受注につながらないケースもあるかと思います。ですが、その時のタイミングということもありますので、自責的に反省せず、切り替えて次を探す方が良いと思います。
また、クライアントによっては、ワーカーを下に見たり、都合良くとらえる人も存在します。
良いクライアントに出会えるように、丁寧な対応を心がけつつ、自分自身の判断をしていくことが大切です。