情報弱者にならないために。認知バイアス(心理学)を理解して、危険な選択肢を回避するには?

情報弱者にならないために。認知バイアス(心理学)を理解して、危険な選択肢を回避するには?

人間は「欲求」で動く生き物です。「マズローの欲求段階説(下図)」によると、欲求には段階があり、1番強い欲求(生理的欲求)から、最終的な自己実現欲求まで5段階の欲求によって求めるものが変化します。

マズローの五段階欲求

もし欲求が満たされるための条件が目の前にあり、その「欲求」が強い状態だと、提供者の言葉を妄信したり、それが「真実である」と都合の良い解釈をしてしまう場合があります。(認知バイアスといいます)

この記事では、認知バイアスによって自分自身がその状態におちいっていないか、なにか勧誘や選択肢があって判断するときの、参考になる情報をまとめました。

目次

1.プロスペクト理論による意思決定とは?

損得勘定で感情を刺激する

プロスペクト理論:人間が意思決定を下す際に「損をしない方を選ぶ確率が高い」という行動経済学の理論の1つ。「プロスペクト(期待、予想、見通し)」に対して、確率的に「得」をする選択肢よりも、「損をしない」選択肢を選ぶ(損失回避性行動をとる)人の方が多い、という不確実下における人間の意思決定の考え方。 参考:Wikipedia

人間が確率のともなう選択肢の中で、リスクをとるよりも、安全な場所にいたいという欲求が影響しているからだと思われます。

損得感情を刺激するコピーライティング
A.損失を防ぎたい心理へのPR文 B.得したい感情を刺激するPR文
  • 知らなきゃ損!
  • 見なきゃ損!
  • 買わなきゃ損!
  • 知るとお得!
  • 見るとお得!
  • 買うとお得!

この例でいうと、Aの方が訴求効果が高いということになります。「得するよりも、損したくない」の感情を刺激する文章だからです。

行動心理をうながすコピーライティングの例

プロスペクト理論では、「この選択の方が、結果的にプラスになるだろう」という「見通し」に対して、認知のゆがみが起きているということを提唱しています。

この人間の行動心理を利用したコピーライティングは、日常の中でよく目にする機会があります。

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  • 今だけ手数料無料です。

「行動しないと損をしてしまうかも」という心理的なアプローチによって、ユーザーに行動をうながすコピーライティングになります。実際に「損」をしなかったとしても、この文字を見ると、人間は「損をしたくない」という衝動にかられて、必要でなくても行動を起こしてしまうことがある、ということになります。

嘘はいけませんが、実際に期間限定のサービスなどを提供する際に活用できるテクニックでもあります。

売り手なのか買い手なのかによって視点が変わりますが、もしご自身が消費者側の立場の場合は、こういったコピーライティングを見た際は「本当に必要なものかどうか?」を1度冷静になって、判断してみてください。

2.コンコルド効果による心理操作

損失に対する勘定

コンコルド効果:ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をしつづけることが損失につながるとわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資がやめられない状態 参考:Wikipedia

人間は、「かけたコスト(時間やお金、労力)に対して、回収できないとわかっていても、それを認められずに、何とかなるだろう」と考えようとしてしまう生き物だということです。

例えば、「散々時間とお金をかけたのに、付き合えなかった相手」に対して、いつまでも追いかけてしまうような現象もコンコルド効果が働いています。

「お金と時間を投資した相手」から「満足する結果を回収できなかった」ことに対する「未練」が発生している状態です。

新規事業やビジネスで働くコンコルド効果

ビジネスの場合では、儲かると聞いて参入したものの資金回収率が悪く、「だけど大きな初期投資をしたから、今さら撤退できない。このまま継続すれば、景気が良くなって状況が改善するんじゃないか?」と、思いつく理由を並べて損失を継続させてしまう状況(赤字継続)などが該当します。

かけたコストが高ければ高いほど、「回収できないことの現実」を受け入れるのが難しくなります。

コンコルド効果を利用した情報ビジネスは危険

コンコルド効果が働いた状態の相手に、あえて営業をかけてくるようなビジネスも存在します。すでに発生している損失に対して「これをやれば損失がカバーできる」という甘言で誘惑し、追加の資金投資を斡旋するようなパターンです。

たとえば、経営セミナーやビジネスサークルに参加して「コンサルを受けることで、すぐにうまくいくようになる」といった話や、ネットワークビジネスなどもその1つです。

他責的に「先生がいないから」「情報が足りてないから」「学び方が悪い」など、それらしい理由を並べて勧誘が行われます。(Youtubeなどは注意が必要です)

情報のソースは、ファクトチェック(事実確認)を行うなどして、事前に信憑性を確かめることがおすすめです。

3.認知バイアスに気を付けよう

信者

認知バイアスは、プロスペクト理論や、コンコルド効果のような「人間の心理」が影響し、行動をゆがめてしまう問題のことをいいます。人間は、「期待」や「思い込み」「不都合な事実に対する反発」などによって「意思決定」までの行動をゆがめてしまうという研究がされています。

確証バイアス:仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと 参考:Wikipedia

例えば、「年間1億円稼ぐ起業家」がいて、「その人の話を聞いてテクニックを学べば、自分も1億円が手に入るだろう」と「思い込んで」行動してしまうようなパターンは確証バイアスが働いています。

「期待」や「自分にとっての都合の良さ」が先行しているため、「相手は、成功するためのすべての情報について知っている」と最初から認知をゆがめて認識してしまいます。

「賛同してくれる人の意見だけが自分にとっての正解」「反対意見は悪」など、耳障りのいいことを言ってくれる人だけを周りに集めてしまったり、「Aちゃんが自分にとっている態度は照れ隠しだ」と勝手に都合良く解釈して、相手の気持ちを無視してしまったりなど、日常の中でもよく起こります。

感情的になりそうな時はリラックスする

なにかを意思決定する際には、「これは本当にそうだろうか?」と、1度メリットデメリットを抜きにして「フラットな状態」にしてから、第三者目線で判断すると良いと思います。物事を1度疑ってみることで見えてくることもあるため、クリティカルシンキング(批判的思考)や、ゼロベース思考を取り入れながら、情報を判断してみましょう。

怪しい情報、怪しいセミナー、怪しい組織やグループへの勧誘、投資斡旋など、誘惑が多い世の中ですが、安易に判断せず、良い選択肢を選ぶ際の参考になれば幸いです!

人間は「欲求」で動く生き物です。「マズローの欲求段階説(下図)」によると、欲求には段階があり、1番強い欲求(生理的欲求)から、最終的な自己実現欲求まで5段階の欲求によって求めるものが変化します。

マズローの五段階欲求

もし欲求が満たされるための条件が目の前にあり、その「欲求」が強い状態だと、提供者の言葉を妄信したり、それが「真実である」と都合の良い解釈をしてしまう場合があります。(認知バイアスといいます)

この記事では、認知バイアスによって自分自身がその状態におちいっていないか、なにか勧誘や選択肢があって判断するときの、参考になる情報をまとめました。

目次

1.プロスペクト理論による意思決定とは?

損得勘定で感情を刺激する

プロスペクト理論:人間が意思決定を下す際に「損をしない方を選ぶ確率が高い」という行動経済学の理論の1つ。「プロスペクト(期待、予想、見通し)」に対して、確率的に「得」をする選択肢よりも、「損をしない」選択肢を選ぶ(損失回避性行動をとる)人の方が多い、という不確実下における人間の意思決定の考え方。 参考:Wikipedia

人間が確率のともなう選択肢の中で、リスクをとるよりも、安全な場所にいたいという欲求が影響しているからだと思われます。

損得感情を刺激するコピーライティング
A.損失を防ぎたい心理へのPR文 B.得したい感情を刺激するPR文
  • 知らなきゃ損!
  • 見なきゃ損!
  • 買わなきゃ損!
  • 知るとお得!
  • 見るとお得!
  • 買うとお得!

この例でいうと、Aの方が訴求効果が高いということになります。「得するよりも、損したくない」の感情を刺激する文章だからです。

行動心理をうながすコピーライティングの例

プロスペクト理論では、「この選択の方が、結果的にプラスになるだろう」という「見通し」に対して、認知のゆがみが起きているということを提唱しています。

この人間の行動心理を利用したコピーライティングは、日常の中でよく目にする機会があります。

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「行動しないと損をしてしまうかも」という心理的なアプローチによって、ユーザーに行動をうながすコピーライティングになります。実際に「損」をしなかったとしても、この文字を見ると、人間は「損をしたくない」という衝動にかられて、必要でなくても行動を起こしてしまうことがある、ということになります。

嘘はいけませんが、実際に期間限定のサービスなどを提供する際に活用できるテクニックでもあります。

売り手なのか買い手なのかによって視点が変わりますが、もしご自身が消費者側の立場の場合は、こういったコピーライティングを見た際は「本当に必要なものかどうか?」を1度冷静になって、判断してみてください。

2.コンコルド効果による心理操作

損失に対する勘定

コンコルド効果:ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をしつづけることが損失につながるとわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資がやめられない状態 参考:Wikipedia

人間は、「かけたコスト(時間やお金、労力)に対して、回収できないとわかっていても、それを認められずに、何とかなるだろう」と考えようとしてしまう生き物だということです。

例えば、「散々時間とお金をかけたのに、付き合えなかった相手」に対して、いつまでも追いかけてしまうような現象もコンコルド効果が働いています。

「お金と時間を投資した相手」から「満足する結果を回収できなかった」ことに対する「未練」が発生している状態です。

新規事業やビジネスで働くコンコルド効果

ビジネスの場合では、儲かると聞いて参入したものの資金回収率が悪く、「だけど大きな初期投資をしたから、今さら撤退できない。このまま継続すれば、景気が良くなって状況が改善するんじゃないか?」と、思いつく理由を並べて損失を継続させてしまう状況(赤字継続)などが該当します。

かけたコストが高ければ高いほど、「回収できないことの現実」を受け入れるのが難しくなります。

コンコルド効果を利用した情報ビジネスは危険

コンコルド効果が働いた状態の相手に、あえて営業をかけてくるようなビジネスも存在します。すでに発生している損失に対して「これをやれば損失がカバーできる」という甘言で誘惑し、追加の資金投資を斡旋するようなパターンです。

たとえば、経営セミナーやビジネスサークルに参加して「コンサルを受けることで、すぐにうまくいくようになる」といった話や、ネットワークビジネスなどもその1つです。

他責的に「先生がいないから」「情報が足りてないから」「学び方が悪い」など、それらしい理由を並べて勧誘が行われます。(Youtubeなどは注意が必要です)

情報のソースは、ファクトチェック(事実確認)を行うなどして、事前に信憑性を確かめることがおすすめです。

3.認知バイアスに気を付けよう

信者

認知バイアスは、プロスペクト理論や、コンコルド効果のような「人間の心理」が影響し、行動をゆがめてしまう問題のことをいいます。人間は、「期待」や「思い込み」「不都合な事実に対する反発」などによって「意思決定」までの行動をゆがめてしまうという研究がされています。

確証バイアス:仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと 参考:Wikipedia

例えば、「年間1億円稼ぐ起業家」がいて、「その人の話を聞いてテクニックを学べば、自分も1億円が手に入るだろう」と「思い込んで」行動してしまうようなパターンは確証バイアスが働いています。

「期待」や「自分にとっての都合の良さ」が先行しているため、「相手は、成功するためのすべての情報について知っている」と最初から認知をゆがめて認識してしまいます。

「賛同してくれる人の意見だけが自分にとっての正解」「反対意見は悪」など、耳障りのいいことを言ってくれる人だけを周りに集めてしまったり、悪いことが起きそうな際に都合良く、事実を知ることを避けたりなど、日常の中でもよく起こります。

感情的になりそうな時はリラックスする

なにかを意思決定する際には、「これは本当にそうだろうか?」と、1度メリットデメリットを抜きにして「フラットな状態」にしてから、第三者目線で判断すると良いと思います。物事を1度疑ってみることで見えてくることもあるため、クリティカルシンキング(批判的思考)や、ゼロベース思考を取り入れながら、情報を判断してみましょう。

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