人手不足で求人を出しているものの、応募が来ないと悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。
最近では、売り手市場によって応募が少なくなっている、時給の高騰などの背景から、採用活動が難しくなっているのが事実です。
そこで、今回は求人を出しても応募が来ないときの見直すべき5つのポイントを解説します。
求職者が企業に求めているポイントを押さえよう
応募が集まる求人にするには、まず求職者が起業に求めていることを理解しましょう。求職者の気持ちを理解することで、アピールポイントや求人の改善ポイントがより的確に伝えられます。
マイナビが2022年、実際に転職した人に対して行った「転職同行調査」によると、入社の最も大きな決め手が「給与が良い」という結果が出ています。
転職動向調査2023年版(2022年実績):マイナビキャリアサーチLabより転職理由でも、「給与が低い」ということを挙げる人が多いことから、元々の給与より「収入が増えるかどうか」を基準にしているということがわかります。
また、他にも希望の勤務地(転勤がない、もしくは少ない)かどうか、ワークライフバランスについても重視しているという結果となりました。
ほかにも、会社の安定性や成長できる環境かどうか、という会社や業務内容といった仕事に対する面も重要視されているようです。たとえば、社内育成制度や知識習得・資格習得のための支援などの福利厚生もアピールできると良いでしょう。
人手不足を解消したいのに応募が来ない理由
人手不足を解消するために求人を掲載しているのに、なかなか応募が来ないという企業も多いのではないでしょうか。そこで、求人がなかなか来ない主な理由を紹介するので、当てはまるものがないか確認していきましょう。
仕事内容がわかりにくい・情報が薄い
求職者にとって、求人の仕事内容は重要な項目です。そのため、入社したときにどのような仕事をするのかわかりやすく書かれていなければ「応募が来ない」ということにつながるのです。
たとえば、一般事務の仕事でも、会社によって業務内容が大きく異なります。営業の資料作成など営業事務に近い仕事も兼任する場合、細かく記載しておかなければ後々「イメージと違った」という印象を与えてしまうかもしれません。
悪い記載例
- 一般事務、未経験歓迎
- WordおよびExcelを使用
良い記載例
- 資料作成:営業が取引先で使用する資料の作成
- 問い合わせ対応:1日10~20件程の電話対応
- 書類整理:スキャン、コピー、ファイリング、発送対応
- 使用するツール:WordやExcel以外はほとんど使いません
応募条件が厳しすぎる
求める人材のレベルが高すぎる、もしくは条件が狭すぎる場合、応募が少なくなりやすいです。
そもそも、マッチする応募者が少ないため、厳しい条件をクリアできない、または条件を満たしていても「受かるわけない」と応募されにくくなってしまうこともあるので、注意が必要です。
競合他社と比較して条件が劣っている
求職者は、いくつかの似たような求人から良い条件を求めて転職先を探しているので、条件が劣っている場合はなかなか応募が来ないという恐れがあります。
とくに職種や勤務地が同一な場合、給与や福利厚生、休日などの労働条件を比較されやすいので、競合他社の求人情報は確認しておくことが重要です。
求める人材と求人媒体がマッチしていない
なかなか応募が来ない理由の1つに、求める人材と求人媒体がマッチしていないことも挙げられます。
たとえば、ネット販売をしている会社なら、もともと商品のファンがいることも多いです。そのため、求人サイトよりも自社サイトでの募集に力を入れたほうが求人が集まる可能性があります。
募集をかけるエリア、年齢、職種など、狙いたい人材によって求人媒体を変えてみるのも効果的な方法と言えるでしょう。
求人募集が来ないときに見直すべき5つのポイント
求人募集が来ない理由を理解したところで、見直すべき5つのポイントを解説します。
箇条書きでシンプルにまとめる
求人情報は、箇条書きでシンプルにまとめることが重要です。たとえば、業務の流れや扱う製品など、できるだけ箇条書きにまとめると、ひと目で内容が伝わりやすくなります。
悪い記載例
業務の流れは、まずお客様の希望をヒアリングした上で、課題解決になる製品を提案します。 そして、納品までの手配や進捗管理を行って導入を進めます。 導入が完了した後はアフターフォローも欠かさず行うことが重要です。
良い記載例
【業務の流れ】
- お客様の要望をヒアリング
- 課題解決になる製品の提案
- 納品までの手配、進捗管理
- 導入後のアフターフォロー
※一方で、簡潔に書きすぎると内容がわかりにくくなるので、注意しましょう。
給与や待遇などの雇用条件の市場調査と分析を行う
売り手市場になっている採用活動では、同じような求人を出している企業はたくさんあります。当然ですが、求職者は他の企業と比べて魅力のある求人に応募します。
そのため、求人情報を書く前には、応募を出す求人媒体の「同じ職種・同じエリア」の求人を見て分析を行うことが重要です。
とくに、以下の項目は求職者が比較しやすいところです。
- 給与
- 年間休日数
- 残業時間
- 福利厚生
同水準であれば問題ないですが、あまりに給与が低い、福利厚生が充実していない場合、なかなか応募が集まらないことも。できれば同水準にすることが理想ですが、変更が難しいなら違うメリットを作るといった工夫をすると良いでしょう。
企業の強みや魅力を入れて他社と差別化する
企業の強みや魅力を募集要項でアピールして競合他社と差別化をするのも、見直しポイントの1つです。たとえば、充実した研修を行っているなら、実際の研修スケジュールの例を紹介しましょう。
【記載例】営業の場合
- 一ヶ月目:座学(ビジネスマナー、電話応対、来客対応、営業に必要な基礎知識を学ぶ)
- 二か月目:座学(トークスクリプトを元にロールプレイング練習)、先輩に同行してお客様訪問
特筆すべき内容がないのであれば、入社後の流れや先輩社員の1日のスケジュールなどを詳しく書くのもおすすめの方法です。
求人情報のタイトルを工夫する
そもそもあまり求人情報が見られていないなら、求人情報のタイトルを工夫してみましょう。
求人サイトでは、タイトルのみが一覧で出てくるため、求人のタイトルが目を引く魅力的な内容でなければ興味を持ってもらえません。
具体的には、以下のような内容を入れ込むと良いでしょう。
- テレワーク・リモート勤務OK
- 未経験歓迎
- 完全週休2日制(年間休日125日)
- 賞与あり(年2回)
- 年収1,000万円も目指せる
最近ではリモート勤務ができる求人が人気があるほか、年収や休日日数、残業時間など、具体的な数字を入れ込むと目を引くのでおすすめです。
ターゲットによって求人媒体を変える
ターゲットによっては、求人媒体を変えることで応募数が増えることもあります。
たとえば、「求人を出す」といっても、以下のように方法がさまざまです。
- ハローワーク:中途採用に強い
- 求人サイト:媒体によってさまざまな求職者にアプローチできる
- 自社サイト:ブランディングが期待できる
- SNS:比較的若い世代にアプローチしやすい
求人サイトでも、パート・アルバイトに強い媒体、正社員に強い媒体など、求職者の特徴は異なります。そのため、採用したい人物像が「一番使っている求人媒体」で応募を出すことが重要です。
※ただし登録者数が多い媒体は、その分競合も増える傾向にあります。
求人広告の見直しで魅力的な求職者を確保しよう
今回は、求人広告を見直すことで求職者からの応募を増やすポイントを紹介しました。
求人に応募が来ない理由は、ターゲットが知りたい情報を明確に書けていないことや、ターゲットを狙うための求人媒体が合っていない、などさまざまな理由があります。
自社の課題点を把握し、求人広告を見直して良い人材を確保してくださいね。